売上伝票の項目解説
最終更新:2022/11/16
共通項目
端末番号
承認番号
加盟店によるイシュア (カード発行会社) へのオーソリ (信用照会 / オーソリゼーション) に対し、イシュアが承認した際に発行され加盟店に通知される番号です。
CCTなどにおける一部の取引 (ICによるPIN取引やEMVコンタクトレス取引の一部) ではオフライン承認も存在し、この場合は承認番号が発行されないため伝票には000000と表記 (CARDNET JET-Sなどの場合)、もしくは表記が省略 (INFOX、CAFIS Archの場合) されます。
カード会社
アクワイアラであり、仕向先のカード会社です。
CARDNET JET-Sなどでは「TS3カード(739)」のように括弧書きで3桁の番号も併記されますが、これは「KID」と呼ばれるもので、アクワイアラ1社に1つ (合併などによる例外あり) 割り当てられています。
CCTでは三井住友カードは社名で表記されず「ビザ/マスター」と表記されます。
伝票番号
端末ごとの売上伝票の通番です。
CARDNET JET-Sでは、クレジット・銀聯・NFCPAYがすべて通番でカウントされますが、INFOX・CAFIS Archではクレジット・銀聯・NFCPAY (NFCペイメント) が別々にカウントされます。
取引内容 / 支払区分 / 取扱区分
取引内容は「売上」「取消」「返品」のいずれかになります。
- 売上:クレジットカードから支払う操作です。
- 取消:「売上」を取り消す操作でカードの明細には「売上」分も含めて取引は表示されません。
- 返品:クレジットカードに返金する操作でカードの明細には「売上」分と「返品」分で2件表示されます。
支払区分は支払い回数のことで、「一括」「分割」「リボ」などと表記されます。分割であれば分割回数も表記されます。
取扱区分は上記2つの内容をコード化したものです。例えば、売上・一括であれば110と表記されます。
商品区分
購入した商品・サービスの商品区分コードを表します。
厳密に区別して設定されているわけではなく、大雑把な区分となっています。商品区分コードで区分できない業種や取引も多いため、区分不能を示す「990」や省略されてしまう場合もよく見かけます。
EMV関連の項目
AID : Application Identifier
アプリケーションごとの固有の値です。
16進数となっており、RID (5バイト (10桁)・固定長) と PIX (最大11バイト (22桁) ) の最大16バイト (32桁) で構成されます。
RID Registered Application Provider Identifier
PIX Proprietary Application Identifier Extension
主な例
- Visa (A000000003)
- A0000000031010
- Mastercard (A000000004)
- A0000000041010
- JCB (A000000065)
- A0000000651010
- American Express (A000000025)
- A00000002501
- A000000025010402
- A000000025010801
- A000000025010901
- Diners Club / Discover (A000000152)
Diners ClubとDiscoverは共通のアプリケーション仕様 (D-PAS) となっています。
- A0000001523010
- 銀聯 (A000000333)
- A000000333010101 (デビット)
- A000000333010102 (クレジット)
AIDの一覧:
https://www.eftlab.com/knowledge-base/complete-list-of-application-identifiers-aid
APL : Application Label
主にブランド名が設定されます。
AIDと一対一の設定ではなく、同一AIDでも異なる場合があります。
主な例
- Visa
- VISACREDIT
- VISADEBIT
- VISA DEBIT
- Visa Debit
- Visa Prepaid
- Mastercard
- Mastercard
- MasterCard
- MASTERCARD
- JCB
- American Expresss
- AMERICAN EXPRESS
- AMEX
- Diners Club
- DinersClub
- 銀聯
- UNIONPAY CREDIT
ATC : Application Transaction Counter
IC処理を行った回数です。EMVコンタクトレス搭載カードの場合はその取引も接触ICと通番でカウントされる場合がほとんどと思われます。
10進数表記の場合 (INFOXなど) と16進数表記の場合 (CARDNET JET-Sなど) があります。
1回の取引で必ずしも1増えるわけではなく、端末や取引時の状況により2またはそれ以上増える場合もあります。
ARC : Authorization Response Code
承認 (オーソリ) やPIN照合のステータスを表しているようです。
主な例
- 00:オンライン承認
- Y1:オフライン承認 (主にCCTでPIN入力時)
カードシーケンス番号 : PAN Sequence Number
同一PANを持つカードを識別するための番号のようです。イシュアにもよりますが初回発行カードは概ね「00」「01」のどちらかになることが多いです。
参考:https://twitter.com/ri25r/status/1236935254998274048
その他
項目名のみ紹介
- AC : Application Cryptogram
- 予測不能数 / UN : Unpredictable Number
- アプリケーション交換プロファイル / AIP : Application Interchange Profile